第7回 日本放射光学会功労報賞  (2020年)


小山 篤氏 (KOYAMA Atsushi)

高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所放射光実験施設

 

  小山 篤氏は、1984年の高エネルギー加速器研究機構(KEK)入所以来、PFのXAFSビームラインを中心とするビームライン群(BL10B、 BL7C、 BL6B、 BL12C、 BL9A、 BL9C、 NW10A、 BL15A)の建設・運用・管理・利用支援・高度化に従事するとともに、後進の技術職員を育成・指導した。この間に行った光学系調整法やビーム位置モニター等の整備・高度化により、XAFSビームラインの利便性向上や、XAFS測定法の高度化・効率化が進み、国内XAFSユーザーの飛躍的な増大につながった。また、実験ホールの温度・冷却水等の変動を記録する環境測定システムを整備し、実験環境を改善したり、東日本大震災の復旧作業チームを指揮して短期間で運転を再開するなど、施設整備関係にも大きな貢献をした。さらに、共同利用実験を安全に実施するために、非常通報装置の設置・火災受信器の集約等、施設安全関係にも取り組んだ。
  以上のように、小山氏は、放射光施設の技術開発に加え、施設全体の整備・安全関係に対する功労があり、永年にわたり施設を支えてきた貢献は非常に高く、日本放射光学会功労報賞に相応しい技術者である。

日本放射光学会
会長 朝倉清高

2020年 1月

功労報賞報告 学会誌 vol.33 No.2(2020)